【正義は勝つ。王道物語】仇敵 著者:池井戸潤
あけましておめでとうございます
アオシュウです(@aoshudesu)
2022年最初の投稿になります。
今年もボチボチ本を読んでいけたらなと思ってます。
22年一発目の読了本は池井戸潤さんの「仇敵」です。
相変わらずの痛快感ある心の底から「おもしろかった」と言える作品でした。
冴えないけど実はすごいおっさんが活躍するという、ありきたりだけど、何だかんだいって楽しい作品になっております。
以下内容詳細です
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目次
☆仇敵
著者:池井戸潤
あらすじ
メガバンクの闇に鉄槌を下せ!
男のリベンジが今、始まる
弱小銀行の東都南銀行で庶務行員として働く恋窪商太郎は、かつて大手銀行で次長職を務めるエリートだったが、不祥事の責任を擦り付けられ退職していた。
融資課の若き行員・松木から相談を受け、行内の事件を解決に導く平穏な日々。
しかし退職のきっかけとなった<仇敵>が現れたとき人生と正義の闘いに再び立ち上がる。
本作品は
・庶務行員
・貸さぬ親切
・仇敵
・漏洩
・密計
・逆転
・裏金
・キャッシュ・スパイラル
こちらが収録されている短編集になります。
「連作短編集」になっており各話で物語が完結しつつも、すべての話を通じて一つの物語が走っているような作風になります。
レビュー
この作品の魅力は主人公の恋窪商太郎です。
リアルタイムでは東都南銀行という弱小銀行の庶務行員
(雑務をメインでやる銀行員のような感じです)
ただ実は2年前まで最大手の銀行に勤めていた超エリート銀行マンだったという設定にワクワクしました。
同じ東都南銀行の若い行員に、かつての経験や鋭い洞察力で的確なアドバイスを送る姿は「この主人公はできるぞ」と思わせつつ、かつての仇敵の事件に巻き込まれていき、話がどんどん大きくなってきます。
巨悪をひっぺがえし、最後に正義は勝つとはまさにこのことだ!と言わんばかりのスカッとする作品です。
解説にも同じことが書いてありますが、本誌に限らず池井戸作品はアンパンマンのような作品が多いです
その似ている部分は最終的に正義が勝つというのが何だかんだ面白い。これがアンパンマンの原理原則かつ似ている部分です。
ただアンパンマンのような「最後に正義が勝つ」という、シンプルな物語はシンプルが故非常に表現するのが難しいのがミソです。
そこの肉付けの仕方がとにかく上手いのが池井戸潤さんです。
「最後に正義が勝つ」「痛快」というのを特に感じられるのがこの作品<仇敵>です。
最後に
今回紹介した「仇敵」に似たような作品でオススメなのが以下「シャイロックの子供たち」です。
ぜひこちらも読んでみてください。
【金融エンタテイメント×ミステリーのタッグ作品】株価暴落 著者:池井戸潤
おはようございます。
こんにちわ。
お疲れ様です。
アオシュウです(@aoshudesu)
2021年も今日で最後ですね。
絶賛グータラ過ごしています。
そんな、グータラの中、読了した一冊の紹介です。
久々の池井戸作品。
その名は「株価暴落」です。
池井戸さんの作品の私の勝手なイメージになります。
どうしても銀行内の話とかが多いイメージの中、今回はミステリでよくありそうな大きな事件と上手く組み合わせた良作になっております。
以下内容詳細です
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目次
☆株価暴落
著者:池井戸潤
【中古】 株価暴落 / 池井戸 潤 / 文藝春秋 [文庫]【メール便送料無料】【あす楽対応】
あらすじ
巨大スーパー・一風堂を襲った連続爆破事件。
企業テロを示唆する犯行声明に株価は暴落、一風堂の巨額支援要請を巡って白水銀行審査部の坂東は企画部の二戸と対立する。
一方、警視庁の野猿刑事にかかったタレコミ電話で犯人と目された男の父は、一風堂の強引な出店で自殺に追い込まれていた。。。
レビュー
池井戸作品あるあるの、「続きどうなるんだろう?」、「え、どういうこと?」という感じのヒリヒリがこの作品全体的にありました。
銀行内で赤字の大手取引先に巨額な追加融資をするか、しないかの行内の対立は安定で面白く、それに追加で、その大手取引先で企業テロと思われる爆破事件が立て続けに起き、そこの事件についても非常に面白いです。
一作で2つの物語が楽しめる作品です。
銀行内での融資についての対立、爆破事件の真実、この2つの物語がどのように交わるのかは必見。
また、この2つの物語が繋がりそうで、繋がらない感じで話が進行していくのも面白さの一部かなと思いました。
やはり殺人事件が絡んでいるので、半沢みたいにスカッとする感じではなく「あー、そういうことか!」と事件物のミステリーを読み終えた読了感でした。
一気読みガチ勢にオススメの一冊です(笑)
最後に
正月は予定もすくないので他の池井戸作品も読んでみようと思います。
オススメあればぜひ教えてください。
【首都圏連続不審死事件をモデルにした作品】蟻の菜園-アントガーデン- 著者:柚月裕子
おはようございます。
こんにちわ。
お疲れ様です。
アオシュウです(@aoshudesu)
今回は柚月裕子さんの「蟻の菜園-アントガーデン-」を読み終えましたので感想書いていきます。
最後の解説で「これは首都圏連続不審死事件を元に描かれている」と書いてありました。
事件を調べてみたら、実際の事件の概要と本書で描かれている事件、瓜二つでした。
まさに事実は小説より奇なりです。
実際の事件の記事を読んだだけでも、すごい事件だなと思わされます。
さらに、その事件に柚月裕子さんのスパイスを加える事により、より洗練された物語になっておりました
実際に起きた「首都圏連続不審死事件」を検索して読むのもオススメです。
以下内容詳細です
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目次
☆蟻の菜園-アントガーデン-
著者:柚月裕子
蟻の菜園 -アントガーデンー(1) (角川文庫) [ 柚月裕子 ]
あらすじ
結婚詐欺の容疑で介護士の円藤冬香が逮捕された。
婚活サイトで彼女と知り合った複数の男性が相次いで死亡していたのだ。
しかし冬香は容疑を否認。
アリバイも完璧だった。
美貌の冬香の身に一体何があったのか?
関心を抱いたフリーライターの今林由美が冬香の過去を追い北陸に向かうと、30年前に起きたある未成年事件にたどり着く。
由美は未成年事件で父親を刺した少女と冬香との関連を疑うが、証拠なく暗礁に乗り上げてしまう・・・
レビュー
本誌で印象に残っているセリフがあります
それは「十の真実があっても新聞には一しか載りません。でも残りの九にこそ、当事者にしか分からない真実があると思います。私はその九を記事にしたいんです。」です。
ぜひ、今のマスコミにはこの言葉を送りつけたいですね(笑)
話を戻しまして、本書もこちらのセリフの通り首都圏連続不審死事件の九の部分を柚月裕子さんによって記事という名の本にされております。
事件当事者の背景と過去、そして現在進行形で起こった事件を重ね合わせた人間物語を楽しむ作品に仕上がってます。
また本書の構成は少し変わっており、主人公の今林由美と事件の当事者(犯人らしき人)過去のパートが交互に配置されています。
なんとなく、物語の展開は掴めそうだなーと思いつつ読んでいると、急に二人称の語り口になるパートが入っており読者を混乱させます。
二人称の語り口の「あなた」は一体誰なのか?
この「あなた」は物語の真実の重要なフックになります。
実際の首都圏連続不審死事件に極上のスパイス柚月裕子さんを加えた物語は最高でした。
最後に
今日はクリスマスイブです(12/24に書いています)
ぼっちなので本屋によって本を買ってまっすぐ帰ろうと思います。