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【宝島社・このミステリーがすごい!大賞2021の文庫本グランプリ受賞作品】甘美なる誘拐 著者:平居紀一

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アオシュウです(@aoshudesu

 

今回は宝島社の2021年「このミステリーがすごい!」大賞の文庫本グランプリ受賞作「甘美なる誘拐」を読み終えたので書評書いていきます。

 

タイトル通りジャンルは誘拐ミステリーになります。

 

ただ、皆さんが想像しているような誘拐の話ではないのがこの作品の肝です。

 

毎年「このミステリーがすごい!」の受賞作品は、気鋭の新しい作者が、今までにない作品を魅せてくれるので楽しみにしています。

 

以下内容詳細です

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目次

 

☆甘美なる誘拐

作者:平居紀一

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甘美なる誘拐 (宝島社文庫)

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あらすじ

主人公の市岡信二(22歳)とその相棒の草塩悠人(23歳)はヤクザの下っ端。

 

常日頃、人使いの荒い兄貴分にこき使われる。

 

彼らの冴えない日常は、ある他殺体を見つけてから変わり始める。

 

同じころ、調布で部品店を営む植草父娘は、ヤクザの嫌がらせで廃業寸前に追い込まれていた。

 

一方、脱法行為で金を稼ぐ宗教団体・ニルヴァーナでは、教祖の孫娘・春香が誘拐されてしまう・・・

 

様々な事件が最後重なりあって衝撃のラストを迎える。

その衝撃に貴方は驚くこと間違いなし!

 

レビュー

本書のポイントは「誘拐」が中々始まらない所がポイントかなと感じました。

 

前半は市岡信二(22歳)とその相棒の草塩悠人(23歳)のヤクザ未満の日常の話だったり、部品店を営む植草一家の話、主人公の信二と悠人の出張先で規模を拡大している宗教団体・ニルヴァーナの話という形で、誘拐の「ゆ」の字も出てこないです。

 

そして、ようやく物語の中盤に誘拐が出てきます。

そこから、物語が一気に加速します。

 

誰も不幸にならない誘拐劇、その誘拐によって前半で描かれていた話のフラグを一気に回収していく様は読んでいて爽快でした。

 

登場人物や描かれている物語が多いと分かり辛くなり、読み進めるのが億劫になる傾向がありますが、そこも散らからることなく上手く描かれており読みにくいということはありませんでした。

 

少しネタバレになりますが、描き方的に主人公の信二が頭がキレそうな雰囲気をプンプン醸し出して、その相棒・悠人はおちゃらけキャラという感じですが、この悠人が実はかなりの切れ者で最後読者をひっくり返してきます。

 

最後に

この表紙の絵が個人的にかなり好みなんですけど、共感してくれる人います??(笑)