【法医学の最高権威・光崎の過去の過ちとは?】ヒポクラテスの悔恨 著者:中山七里
おはようございます。
こんにちわ。
お疲れ様です。
アオシュウです(@aoshudesu)
久しぶりに中山七里さんの新書を購入。
渋い法医学の権威・光崎の活躍を描く最新作「ヒポクラテスの悔恨」の書評を書いていきます
埼玉県警の古手川と光崎の部下、栂野真琴の恋の行方も見逃せない!?!?
以下内容詳細です。
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目次
☆ヒポクラテスの悔恨
著者:中山七里
あらすじ
「これから一人だけ誰かを殺す。自然死にしか見えない形で」
斯界の権威・浦和医大法医学教室の光崎藤次郎教授がテレビ番組に出演した。
日本の司法解剖の問題点を厳しく指摘し、「世の中の問題の9割は金で解決できる」と言い放つ。
翌朝、放送局のホームページに「親愛なる光崎教授殿」で始まる奇妙な書き込みがされる・・・
その内容はなんと、自然死に見せかけた殺人の犯行予告だった。
早速、埼玉県警捜査一課の古手川刑事とともに管内の異常死体を調べることになった助教授の栂野真琴は、メスを握る光崎がこれまでにない言動を見せたことに驚く。
光崎は犯人を知っているのか?
やがて浮かび上がる悲しき「過ち」とは・・・・?
書評
本作は5話からなる短編集になり、法医学の最高権威、唯我独尊の変わり者の光崎の過去の話も描かれております。
1話1話で話は完結しますが、一本の物語で話は繋がっています。
あらすじにも書いた、「これから一人だけ誰かを殺す。自然死にしか見えない形で」という謎の犯行予告のせいで、自然死と思われる案件を1件1件しらみ潰しに調査していく、古手川と光崎の部下栂野。
司法解剖で事件の謎を解いていくシンプルな物語のスタイルですが、トリックというか司法解剖という日の当たらない部分を上手くエグっているなと感じました。
日本における、法医学の日陰具合と、制度の脆さがリアルに描かれてており「現実も詳細な司法解剖ができず、自然死として葬られた殺人事件があるんじゃないか?」と思わせる一冊でした。
最後に
本物語は「これから一人だけ誰かを殺す。自然死にしか見えない形で」という殺人予告から始まります。
やっぱり、冒頭にこんなパワーワードぶち込まれたら、ミステリー好きなら尚更、ワクワクしませんか?(笑)
中山七里さんの作品は冒頭に「なんだこれ?」と思わせる事象などを盛り込み、物語に一気に引き込む。
この巧みさはミステリー小説作家の中で一番上手と思っています。
引き込み部分が印象に残り、物語の展開がしやすいので過去多くの作品が映像化されているのかなと思いつつ読了しました。
引き続き中山七里さんにはお世話になりそうです・・・